妊娠した時の読み物

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「助産ケアのエビデンス!臍帯ドレナージは胎盤の剥離を促進させ分娩第3期の時間を短縮させるのに有効?

経腟分娩で正常に経過したローリスク産婦に対する分娩第3期マネジメントといえば、まず予防目的に子宮収縮薬を投与するactive managementと予防的には子宮収縮薬を投与しないexpectant managementが挙げられます。

また同様に、臍帯を早期クランプ・カットした後ただちに母体側のクランプを解除し胎盤内の血液を排出させることをいいます。

この臍帯ドレナージを実施することで、胎盤実質の容量が減少し、子宮収縮が促進され分娩第3期の所要時間が短縮すると考えられるのですが、その効果についてこれまでの研究によってどのようなことが明かされているのでしょうか?

 

研究と結果

分娩第3期におけるマネジメントの一つとして臍帯ドレナージを実施しいているRCTを条件に論文が選択され、文献検索の結果まず7論文を特定しその後2論文を採用し、5論文を除外しました。

2論文を比較・統合した結果1論文で児分娩後30分以上経過しても胎盤が娩出されない停留胎盤の発生頻度が介入群において有意に減少しており、1論文では介入群における分娩第3期の所要時間が有意に短くなっていたようです。

一方、胎盤用手剥離、輸血適用の発生率、産後のヘモグロビン値の変化、産後の出血については有意差は認められませんでした。

 

結論

分娩第3期において臍帯ドレナージを実施することでどのような効果があるのかについての検討の結果、介入群の分娩第3期所要時間が対照群よりも有意に短かったという結果でした。

しかし、レビューした論文が2本と少ないことや、効果を検討するのに有用なアウトカムのすべてが評価されていないこと、実際の実験現場において臍帯をクランプする時期、あるいはクランプ解除のタイミングに関して介入者間でのばらつきが大きいこと、実験の性質上、介入者に対しても盲検化が不可能であることから、介入パイアスが存在することから臍帯ドレナージの安全性、効果を立証する十分な根拠とはいえないようです。

また、国内の総合病院産科病棟において、ローリスク産婦138名を対象に予防的に子宮収縮薬を投与しない状況のもと、臍帯牽引群71名と胎盤剥離自然待機群67名の分娩後2時間までの総出血量を比較した研究では、両群間の出血量に有意差は見られませんでした。

今後、こうした結果を踏まえて臨床研究を重ねてより確かな事実を積み上げていくことが必要だと考えられています。