妊娠した時の読み物

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「助産ケアのエビデンス!分娩後のカンガルーケアの効果とリスク」

 

最近では病院のお産でも、バースプランの中で「カンガルーケアをしたい」と希望する妊婦が多くなり、分娩後にカンガルーケアを行っている施設が増えてきました。

カンガルーケアの効果としては母と子の絆を強めることや、新生児の保温効果などが広く知られていますが、一方でカンガルーケア中の新生児のリスクに関しても耳にすることがあります。

では、分娩後にカンガルーケアを行うことは、母親および新生児にどのような効果があるのでしょうか?

今回は分娩後のカンガルーケアの効果とリスクについてご紹介します!

 

研究と結果

在胎34週から416日までに出生した健康な新生児およびその母親の21組を対象に出生直後にカンガルーケアを行い、長くても1時間以内に終了した場合、出生後3040分以内にカンガルーケアを開始した場合、出生後124時間以内のいずれかにカンガルーケアを実施した場合の3グループに分け研究が行われましたが、現時点では十分な論文がないため不可能でした。

また、アウトカムは全部で64種類で、「母乳育児に関して」「児の健康状態に関して」「アタッチメント」の大きく3グループに分類され、30試験が採択されました。

そのうち29試験がランダム化比較試験で、1試験が準ランダム化比較試験で、4試験は3437週までの問題のない早産児のみを対象とし、これらをメタアナリシスの手法により統合しました。

その結果29のランダム化比較試験では64種類のアウトカムを用いていましたが、64種類のうち2試験以上で検討されていたのは8種類のみでした。

母乳育児に関するカンガルーケアの効果を検討していたのは、16試験でまず出生後14カ月で母乳育児を継続している者の割合が高まるという結果が得られており、統合していた試験数は10と多く、対象母子も552組と多く、信頼区間1.083.07と比較的狭く、統計学的にも有意な結果となっていました。

また、母親のアタッチメントに関しては4試験で314組の母子について検討されており、カンガルーケアをした場合にアタッチメント効果があり、信頼区間も狭く統計学的に有意な結果になっていました。

また、新生児の健康状態に関しては、体温変化について3試験で検討され、カンガルーケアをしたほうが信頼区間も高かったのですが、有意な差は認められませんでした。

 

結論

出生後のカンガルーケアにより母乳育児の継続を助ける効果、母子のアタッチメント効果、心配の安定などに効果があることが明らかとなりました。

また、明らかな短期的および長期的な負の影響はありませんでしたが、研究の質、介入およびアウトカムの多様性から、今回のレビューには限界があり、今後さらなる研究が必要であるとされています。