妊娠した時の読み物

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「助産ケアのエビデンス!妊婦が胎動カウントを行うことは胎児のWell-beingを評価するのに有効?

 

妊婦は妊娠1620週以降から胎動を自覚し始めますが妊婦にとって胎動は医療機器がなくとも胎児の健康状態を知ることができる唯一の指標であると考えられます。

また、胎動の減少は死産の前兆としておこることが多く、妊娠後期の死産はローリスク妊婦でもおこることがあるため、その早期発見の手段として日常生活の中で妊婦自身が胎動の回数を数えることが広く臨床的に実践されています。

では、胎動カウントを行うことは胎児Well-beingを評価するのに有効なのでしょうか?

また、妊婦がルチーンの胎動カウントを行うことは母子の周産期死亡率やその他の指標に違いがあるのでしょうか?

 

研究と結果

レビューに採択された4文献のうち2文献が胎動カウント法の違いによる比較であり、母親がその方法を受け入れ遵守(コンプライアンス)した率、その他のアウトカムを測定した結果、Thomsen1119人を対象とし、Cardiff変法による胎動カウントとホルモン分析とを比較したところ、胎動カウントのほうが妊婦健診回数が有意に少なかったようです。

また、器械分娩については胎動カウントとホルモン分析でそれぞれ24.3%、202%で有意差はなく、5分後のアプガースコア7点以下の割合についてはホルモン分析が胎動カウントより優位に多かったようです。

また、Fredaの研究では125人のローリスク妊婦を対象としたCardiff法とSadoxsky法による胎動カウントとの比較では母親が方法を遵守し、胎児の健康状態に神経質になる傾向において、両群間に差はありませんでした。

Gomez1400人のハイリスク妊婦を対象とし、Cardiff法と「10回カウント」法とを比較しましたが両群間に有差はなく、「10回カウント」法のほうがコンプライアンスが有意に高かったようです。

Crant68654人に対しCardiff法による胎動カウントと方法を規定しない胎動の観察を対象群として1000人ごとに33の集団に分け、クラスター・ランダム化比較試験を行いましたが有意差はなく、死産についても有意差はありませんでした。

 

結論

胎動カウントが推奨されるべきか否か、またルチーンで行うべきか選択的に行うべきかは十分な根拠がないといえます。

これは、胎動カウントが胎児評価をする手段としては誤差が大きく、直接的に胎児死亡を反映する徴候ではないためです。

今後、大規模なRCTなど研究を重ねてその有効性が検証されることが期待されるようです。