妊娠した時の読み物

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「助産ケアのエビデンス!妊娠中の腰痛に腹部サポート下着は有効?」

 

妊娠中のマイナートラブルのうち、日本では腰痛は妊婦の約70%に現れるト報告されており、最もおこりやすいマイナートラブルであるとされています。

また、妊娠中に腰痛を発症した女性の45%が産褥期も痛みを訴え、出産後3年経過しても17%の女性は痛みが継続するともいわれています。

しかし、マイナートラブルである腰痛の予防は、妊婦のセルフケアによるところが大きいとされ、対処法における研究はほとんどなされていません。

では、妊娠期の腰痛緩和に腹部サポート下着は有効なのでしょうか?

今回は、妊娠中の腰痛緩和に対する腹部サポート下着の有効性についてご紹介します!

 

研究と結果

オーストラリアの王立ウイメンズ病院で妊娠2030週で腰背部痛、後部骨盤痛を持ち、産科外来に通う妊婦115名を対象として研究が行われました。

妊婦に腹部サポート下着のBelly BraTubigripを着用してもらい、両者の腰痛軽減効果を比較し、対象者115名中55名がBellyBraをつける群に割り付けられました。

一時的なアウトカムは腰痛の痛みの重症度、日常生活動作への痛みの影響度で、二次的なアウトカムは生活の満足度です。

分析はITT解析の原則に則り行われたのですが、一時的なアウトカムである3週間後の腰痛の重症度について介入群と対照群を比較した結果それぞれ4.54.7で、有意な差は見られませんでした。

また、3週間の変化を見たところ、介入群6.1→45、対照群6.0→4.7であり両群とも腰痛が有意に軽減していました。また、腰痛の日常生活への影響度では、介入群は対照群に比べて睡眠、座位からの立ち上がり、歩行において有意に軽減しており、二次的なアウトカムである生活の満足度については有意差はありませんでした。

 

結論

今回ご紹介したOstgardらの1990年の研究においては妊娠期の腰痛に対し、BellyBraを着用することは腰痛に効果があるといえるようです。

もともとは妊婦の運動用のインナーだったようですが、オーストラリアでは日本における骨盤ベルトのように広く一般的な腰痛ケアの手段になっているようです。

また、痛みの感じ方は妊婦の主観によるものですが、腰痛ケアの効果を図るには客観的な痛みを評価し、介入の効果を測定しなければいけません。

今回の研究でも疼痛を測定するアウトカムメジャーとしてVAS法などの主観的指標を用いて評価していました。今後は痛みを客観的に数量化することや、痛みの評価基準に向けた検討も必要になってくると考えられます。