妊娠した時の読み物

妊娠に関する様々な知識や使い方を「読みもの」として紹介していくサイトです。

「助産ケアのエビデンス!選択的帝王切開の時期と妥当性」

 

前回帝王切開であった場合、今回は経腟分娩を試みず選択的帝王切開を行うという方針の施設があります。

帝王切開を計画するとき、その時期は正期産であることが必須条件であると考えられますが、陣痛がきてしまう前にという理由で妊娠37週にて帝王切開を行った場合はどうでしょうか?

今回は、妊娠39週になる前の選択的帝王切開が新生児に及ぼす影響についてご紹介します!

 

研究と結果

 

米国の19か所の病院で、正期産にて前回の帝王切開のため今回帝王切開を予定している女性を対象に行われた研究では、前回帝王切開24077件のうち、選択的帝王切開であったのは13258件でした。

そのうち358%が妊娠39週より前に行われており、妊娠39週での実施は49.1%で全体で1例の新生児死亡がありました。

新生児死亡および有害事象のプライマリアウトカムの調整済みオッズ比は妊娠39週と比べ、妊娠37週は2.1、妊娠38週は1.5であったことから、妊娠37週での選択的帝王切開は妊娠39週に比べプライマリアウトカムで示された有害事象は2.1倍、妊娠38週での帝王切開は1.5倍多いということができます。

その他にも、妊娠37週での帝王切開は新生児の呼吸窮迫症候群が42倍、新生児一過性多呼吸が1.8倍、新生児肺血症が2.9倍、低血糖3.3倍、NICUへの転送が2.3倍、5日以上の入院が2.7倍、妊娠39週での帝王切開よりも多くなっていました。

 

結論

この研究から、妊娠39週での帝王切開に比べ、妊娠37週での帝王切開では約2倍、妊娠38週であれば約1.5倍、新生児の呼吸器合併症などを起こしやすいことがわかりました。

正期産といえども、妊娠37週、38週での帝王切開は新生児へのリスクが発生するのでこのことは帝王切開の予定を決める際に重要な情報となるでしょう。

しかし、この研究では異常のない胎児が対象となっており、胎児死亡は除外されているので妊娠週数が進むにつれて増加するであろう胎児死亡は考慮されていません。

選択的帝王切開は介入であるため、最もエビデンスレベルが高い結果を得られるのはランダム化比較試験ですが、ランダム化比較試験の結果があればいいのですが、大規模な試験となるであろうこと、何よりもこの研究結果により新生児のリスクが予測されることで倫理的な問題も懸念され難しいようです。