読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

妊娠した時の読み物

妊娠に関する様々な知識や使い方を「読みもの」として紹介していくサイトです。

「助産ケアのエビデンス!乳頭の刺激は分娩の誘発に有効?

 

予定日が過ぎてもなかなか陣痛が来ない妊婦に「お風呂に入ったときに乳頭をマッサージしてください」と勧めることがあります。

これは、乳頭の刺激によってオキシトシンの分泌を促し、子宮収縮を引き起こすための方法であると考えられ、胎児の予備能力を試す古典的な方法としても応用されています。

乳頭を刺激することで陣痛をおこすという方法は、妊婦が自分で行うことができ、しかも薬剤を使用するよりも自然に近いものだと考えられますが、分娩期において乳頭を刺激することは、何もしない場合や他の方法と比べて、子宮頚管の熟化または、分娩の誘発に効果的なのでしょうか?

 

研究と結果

妊娠末期の妊婦に対し、頸管の熟化や分娩誘発を目的として乳房を刺激する、何もしないまたはほかの方法を比較した研究では、6件の研究が含まれ、介入の乳房への刺激については、妊婦自身が実施すること、優しく乳房を刺激するという点ではすべての研究で共通していましたが、実施期間および回数は異なっていました。

たとえば2件の研究では3日間にわたり11時間程度乳房への刺激を行い、3件の研究では13時間程度の実施とされていました。

1件の研究では、電動式の搾乳機を使用し、6件中5件は乳房への刺激と何もしない群との比較でしたが、2件はオキシトシンの使用との比較でした。

また、対象者も研究によって異なり、ハイリスクの初産婦を対象とした研究1件、ローリスクの初産婦に2件、ローリスクの経産婦のみ1件、ローリスクの初産婦2件でした。

乳房への刺激の有効性について、何もしない群と比較した4件の研究を統合した結果、72時間以内に出産に至らなかった妊婦を有意に減らしていたことがわかり、この結果は子宮頚管が熟化していない妊婦において比較した場合は有意な差は認められませんでした。

産後の多量出血はについては、乳房の刺激を行った方が有意に減らせることがわかり、帝王切開率及び羊水混濁率については差はありませんでした。

 

結論

乳房への刺激は72時間以内に出産に至らなかった妊婦の数を減らし、分娩後の多量出血を減少させる効果があることが認められました。

しかし、ハイリスク妊婦の実施に関する安全性は検討されていないため、ハイリスク妊婦には用いるべきではなく、今後安全性を始め、さらなるデータの蓄積が必要になります。