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妊娠した時の読み物

妊娠に関する様々な知識や使い方を「読みもの」として紹介していくサイトです。

「助産ケアのエビデンス!水中出産は母子の健康に有効?

 

水につかることを治療的な手段として用いることは、今ではそれほど目新しくありません。ギリシア、ローマ、中国、エジプト、そして我が国でも水につかって体や心の癒しを行ってきました。分娩においてもリラックスし、痛みを逃すことを目的に陣痛が来ている時や、児が産まれるときに温かいお湯につかることが長い間行われてきました。

では、分娩第1期にお湯につかって過ごすことや水中で出産することは胎児、新生児、母親の健康にとって有効なのでしょうか?また、害はないのでしょうか?

 

研究と結果

分娩期においてお湯につかるかつからないかを比較したすべてのランダム化比較試験では、初産、経産、単体、多胎、分娩様式は問わず、介入は分娩期に浴槽/プールなどお湯につかることができるかできないかで比較しました。

アウトカムは主要評価項目を産婦や児、ケア提供者の安全性や効率性を主眼にし、産婦については死亡率、罹患率、出血、感染、会陰裂傷、産後うつ、心的外傷ストレス障害、分娩促進、分娩時の痛み、非薬学的無痛法の使用、鎮痛薬の使用、分娩様式、体温、脈拍数と血圧、満足度、次の分娩時の優先選択としました。さらにサブグループとして第1期の浸水・非浸水の比較、分娩第2期の浸水・非浸水の比較、浴槽/プールのタイプ別比較、湯に入浴剤や塩、アロマオイルなどを添加する、しない場合の比較、分娩第1期の早い時期と遅い時期に浸水した場合の比較を行いました。

 

分娩第1期の浸水・非浸水の比較について

母親のアウトカムは、浸水したほうが硬膜外・脊髄麻酔の使用は少なく、分娩様式には有意な違いは認められず、帝王切開も同様に有意差はありませんでした。

また、分娩時の会陰裂傷についても有意差はなく、その他浸水しているほうが疼痛が少なく、収縮期血圧拡張期血圧も低くなっていました。

 

分娩第2期の浸水・非浸水の比較について

母親のアウトカムは分娩第2期の長さに有意差はなく、分娩様式にも有意差は見られませんでした。また、会陰切開、第2度裂傷についても同様に有意差はなく、出生体験の満足度は高いという結果でした。

児のアウトカムは、胎便漏出、NICU収容に関して有意差は認められませんでした。

 

分娩第1期の早い時期と遅い時期に浸水した場合の比較について

時期による比較は1文献認められ、浸水の早い時期群に硬膜外麻酔の使用が高く、分娩促進薬の使用も増加していました。

 

結論

水中出産を行うことによって、分娩第1期の硬膜外麻酔、脊髄麻酔の使用を有意に減らすことはできたことは、母子の健康にとって有益な結果であるといえます。

また、今回の結果からは、母子にとって有害なアウトカムは示されませんでしたが、介入方法のばらつきやサンプルサイズの少なさなど、検討すべき余地も残されており、また盲検化の困難さによるパイアスも考えれ、さらなる研究の積み重ねが必要であるといえます。