妊娠した時の読み物

妊娠に関する様々な知識や使い方を「読みもの」として紹介していくサイトです。

「助産ケアのエビデンス!出産後に新生児の臍帯の消毒は必要?」

 

児の誕生後、臍帯の切断後の断面をアルコールで消毒し、乾燥材を振りかけることをルチーンで行っていますか?

臍帯は子宮の中にいる児に栄養や酸素を提供する重要な命綱です。

臍帯のケアの視点としては、臍帯剪力で切断し、断面は動脈と静脈とが露出しており、乾燥して臍帯脱落が見られるまで感染しないように気を付ける必要があります。

では、臍帯を消毒したり、抗生物質を使用することで新生児の感染や死亡の発生を減らすことはできるのでしょうか?

 

研究と結果

すべての新生児を対象に臍帯処置の方法として消毒薬、抗生物質、何も使わない、洗浄、乾燥を介入のタイプとしてそれぞれ比較しました。

 

・消毒液VS自然乾燥

10件の研究が比較され、これらは臍帯を自然に乾燥することと比較して、アルコール、三重色素、スルファジアシン銀、亜鉛、グルコン酸クロルヘキシジン、サリチル酸パウダー、グリーンクレパウダー、カトキンパウダーの使用を介入として行っていました。

アルコールをはじめとして、消毒を介入として使用していたものを統合した群と自然乾燥群とを比較した結果、新生児臍帯感染の有無に有意な差は認められませんでした。

また、最近増殖の発生に関しては、アルコールのように消毒薬を用いたほうが有意に少なかったようです。

 

・消毒薬VS抗菌薬

2件の研究が比較され、これらは三重色素とネオアメシン。三重色素とバシトラシン、スルファジアシン銀とネオマイシン、スルファジアシン銀とパシトラシン、ポビドンヨードとパシトラシンとの比較で、どれも臨床的な感染の所見はありませんでした。

 

・三重色素VSほかの消毒薬

7件の研究が比較され、感染について三重色素はアルコールやポビドンヨードより有意に少なく、黄色ブドウ球菌の増殖については三重色素は、アルコールやスルファジアシン銀より有意に少なかったようです。

 

ポビドンヨードVS他の消毒薬

2件の研究が比較され、感染に関してはポビドンヨードとアルコールで違いはなく、ポビドンヨードは三重色素に比べて感染の割合は有意に高かったようです。

 

・グルコン酸クロルヘキジンVS他の消毒薬

2件の研究が比較され、感染はほとんどのグループで起こらなかったようです。

 

結論

今回の研究では、研究の制限もありましたが抗菌薬を使用する場合と、単純に臍帯を清潔にして自然乾燥する場合とにおいて、臍帯感染の有無に有意な違いは認められませんでした。

また、消毒薬と抗菌薬の比較では、臍帯感染の有無に違いは認められず、臍帯脱落までにかかる日数については、消毒薬が抗菌薬より短くなっていました。