妊娠した時の読み物

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「助産ケアのエビデンス!三陰交をはじめとする鍼刺激が及ぼす陣痛促進の効果」

 

 

なかなか進まない分娩に対して、助産師は薬剤を使わずに様々な方法を使って分娩が進むように援助します。

その方法の一つとして、三陰交に指圧をおこなうことがあります。三陰交は、「婦人科系の万能のツボ」とも呼ばれており、そこに鍼灸によって刺激を与え効果を得るというものです。

では、正常分娩が予想される分娩進行中の産婦に、三陰交をはじめとする経穴に鍼治療を行うと陣痛促進に効果はあるのでしょうか?

 

鍼治療が及ぼす陣痛促進効果

ノルウェーの病院の周産期病棟で行われた研究では、経穴への刺激は陣痛促進効果があるとう結果で、鍼治療開始から児娩出までの時間は7分程度短くなっていました。

また、オキシトシンの使用も半分以下でありこの結果は分娩期に陣痛促進のために、鍼を用いることの根拠となり得ます。

この研究では、ノルウェーの鍼学校のプロトコルに則って同校で訓練を受けた助産師が施術し、産婦の動きを妨げないように打った鍼をテープで固定していますが、日本でも同様に施術を行うことができれば、同じような効果が期待できます。

また、この研究では三陰交などを鍼で刺激するという介入を用いましたが、他の部位の指圧の効果を検討している研究もあり、指圧を行った場合のほうが陣痛促進効果があったことを報告しています。

また、Leeらは三陰交に指圧を行った場合、三陰交に触れるだけの場合と比べて総分娩時間が短かったということを示しており、このように鍼灸や指圧の効果に関するランダム化比較試験が精力的に行われています。

しかし、イギリスのNICUガイドラインでは、鍼療法による陣痛誘発は効果があるかを判断するだけのエビデンスを示した研究がないため、積極的に提供すべきではないとしており、今後、陣痛誘発の方法としての鍼治療に関し、効果、安全性、産婦の満足度をさらに研究する必要があるとされています。