妊娠した時の読み物

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「助産ケアのエビデンス!骨盤位の矯正に鍼灸は有効?」

 

骨盤位の管理では、通常は妊娠30週頃まで自然な回転を期待し骨盤位が治らない場合、多くは選択的帝王切開が行われています。

また、35週を過ぎてから外回転術を試みることもありますが、これは母体・胎児へのリスクを伴います。

一方、助産院などでは骨盤位に対しては鍼灸が用いられ特に鍼灸は妊婦自ら継続的に実施できるケアの一つであり、広く普及しているのですが骨盤位に対する鍼灸にはどのような効果が期待できるのでしょうか?

今回は、骨盤位に対する鍼灸の効果についてご紹介します!

 

研究方法

イタリアの6つの産科病院で、健康であり妊娠週数3233週+3日の時点で超音波診断により骨盤位と確認された初産婦132名を対象に行われた研究では、123人中、65人が鍼灸を行う群に割り付けられ、介入群の妊婦はまず足の第5趾、爪の生え際の外側に12回、1週間鍼灸を行いました。

鍼灸を始めて1週間後に超音波診断を行い、骨盤位が治っていない場合にはもう1週間鍼灸を継続し、鍼灸の方法については本人またはパートナー、支援者とともに鍼灸の練習が行われました。

 

主要な結果

分析はITT解析で行われ、一時的なアウトカムである妊娠35週の時点での頭位の割合は介入群34%、対照群36%であり2群間に差は見られませんでした。また、二次的なアウトカムである分娩時の頭位の割合は介入群52%、対照群51%で介入後1週間における胎動の回数について介入群は平均254回、対照群は平均220回であり両群間に違いは見られませんでした。

治療のコンプライアンスについては、「よい」69%、「まあまあ」20%、「良くない」11%でした。

 

結論

骨盤位に対し鍼灸を行う群と行わない群とでは妊娠35週時の骨盤位の割合に違いは認められませんでした。

また、Cardiniらの研究では中国人260人を対象とし、妊娠3233週時に鍼灸を行う群と行わない群での胎動の回数、妊娠35週時の頭位の割合をアウトカムして見ており、その結果妊娠35週時の頭位の割合は介入群75.4%、対照群47.7%であり2群に統計的に有意な差は認められませんでした。

また、Coyleらによるシステマティックレビューでは鍼灸を行うことは外回転術を必要とする割合を減らし、分娩前や分娩中のオキシトシンの使用を減らすことも示されていました。

また、鍼灸を行った群のほうが分娩時に頭位である割合が高く帝王切開率や5分後のアプガースコアが7点以下である割合、前期破水や子宮内胎児死亡の割合については違いが見られないと示されていましが、このシステマティックレビューの介入は鍼と鍼灸を合わせたものであり、「妊婦自身が行う鍼灸」に限定したものではありませんでした。

以上のようなことから、妊娠3233週頃に至陰に鍼灸を行うことで骨盤位の矯正に効果が見込めると結論付けられました。