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妊娠した時の読み物

妊娠に関する様々な知識や使い方を「読みもの」として紹介していくサイトです。

「助産ケアのエビデンス!GBS陽性の産婦への抗菌薬投与は効果がある?」

 

B群溶連菌(GBS)は母親から児へ産道を介して感染する可能性があると言われています。

医療機関では、母親が妊娠中に同意を得てから膣分泌物培養のスクリーニングを行い、GBS陽性であった場合、児がGBS感染やGBS肺血症にならないように分娩中、産婦に抗菌薬を投与するようになっています。

では、妊娠中の膣分泌物培養でGBSが陽性だった妊婦に対して、分娩中に抗菌薬を投与することは、児のGBS感染の予防に効果があるのでしょうか?

今回はGBS陽性の産婦への抗菌薬投与の効果についてご紹介します!

 

研究と結果

対象を抗菌薬を投与した群としていない群とでランダムに割り付け、また児のGBS保菌と児のGBS 感染どちらか一方、または両方含んだ研究のうち、5論文が採用されました。

5論文は、児のGBS保菌、児の感染、新生児死亡の3つに分類され、オッズ比を用いPetoの方法を使って比較・統合されました。

その結果、5論文中4論文が児の保菌についてのアウトカムを示し、すべての論文がGBS陽性の産婦への分娩中の抗菌薬を投与した群に比べて、投与しない群は児の保菌が有意に減少したと報告しています。

また、同じく4論文が児の肺血症についてのアウトカムを示し統合の結果、分娩中に抗菌薬を使用した群は有意に児の肺血症が少なかったとしています。

ただし個々の論文を見ると、2論文で有意差はなく、新生児死亡をアウトカムした論文は1論文のみであり、抗菌薬使用群は85人中0人、未使用群では79人中2名の新生児死亡でしたが、有意差は認められませんでした。

 

結論

結果を見ると、分娩中の抗菌薬の使用が児のGBS感染に効果があると判断できます。

しかし、新生児死亡については有意差が認められず、GBS陽性の産婦に抗菌薬を投与しても投与しなくても、新生児死亡率は変わらないことが示されました。

また、Smaillも論文中にもあるように、レビューに採用した研究の方法論が不十分であり、パイアスがかかっている可能性が高く採用された論文はいずれも、1980年から1990年代に発表されており、割り付けの隠蔽化がなされたのはわずか1論文のみであったことから、GBSの母子感染予防として産婦に抗菌薬を投与することが有効であるという明確な根拠を示すことができないとされました。