妊娠した時の読み物

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「助産ケアのエビデンス!分娩時の破膜は分娩時間の短縮に有効?」

 

分娩時の人工破膜は分娩進行を促すとされ、通常よく行われる手技の一つです。
破膜によって、有効な陣痛を引き起こし分娩時間を短縮することができると考えられているのですが、その機序は明確ではなくプロスタグランジンやオキシトシンの産生・分泌によるものではないかと推測されています。
また、破膜を行うことによって起こるリスクとして、臍帯脱出や圧迫、児心拍数の減少、感染率の上昇、胎盤静脈からの出血などが挙げられます。
では、人工破膜を行うと、自然分娩において分娩時間は短縮されるのでしょうか?
今回は分娩時の破膜の有効性と安全性についてご紹介します!

■分娩第1期の長さ
Fixed effects modelという統計学的手法を用い、人工破膜を行った群と行わない群とを比較して研究した結果、5論文1127人の産婦を対象に分析したところ、分娩第1期の長さに有意な差はありませんでした。

■帝王切開
9論文、4370人の産婦を対象に分析した結果、帝王切開の発生率に有意な差はありませんでした。また、初産と軽産に分けたサブグループ解析でも有意な差はなかったようです。

■出産における母親の満足度
2論文、123人の産婦を対象に分析したところ、有意な差はありませんでした。

■5分後7点・1分後4点以下の低いアプガースコア
6論文2947人の産婦の分析では、5分後に7点以下のアプガースコアを示すものはありませんでしたが1分後4点以下という報告は少なく、人工破膜を行うか行わないかで対象の産婦のアプガースコアに有意な差はなかったようです。

■結論
人工破膜を行わない群とルチーンに人工破膜を行う群によるランダム化比較試験の集積はメタアナリシスの結果、ほとんどの比較項目で両群間に差はなかったことが示されており、また自然に陣痛発来して途中で遷延した分娩において分娩時間が短縮されたかということに関してもオキシトシンによる分娩促進が用いられることに、両群間で差はなかったことから、違いがないことが推察されます。
このことからも、分娩進行を促すためにルチーンに人工破膜を行うことは必ずしも効果があるとはいいがたいという結果でした。