妊娠した時の読み物

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助産ケアのエビデンス!振動音響刺激は胎児の予後を予測する検査法として適切?

 

ほとんどの施設で妊娠期に外来にてノンストレステストNST)を実施するようになりました。その際振動音響刺激装置(VAS)をモニター周辺におき、使用している施設もあるようです。
VAS装置はNSTでnon-reactiveな場合に母体の腹壁よりVAS装置で振動刺激を与えることによって胎児が睡眠期にあるのか、胎児機能不全であるのかを識別するために使用されています。
では胎児の予後を予測する方法として、VASは本当に適切なのでしょうか?

■研究と結果
ギリシャの大学病院で妊娠30週以降、未破水でNST所見でnon-reactiveを伴うBPSが8点以下の単胎妊娠の妊婦を対象として283名のうち1349名が
「VAS併用群」に1484名が「VAS併用しない群」に割り付けられ、「VAS併用群」にはVASで3秒刺激しNSTモニタリングを30分間行い、「VAS併用しない群」にはVASを使用せず30分間モニタリングを行いました。
その結果「VAS併用群」と「VAS併用しない群」とで比較したところ、子宮内胎児死亡の発症率は0.74%対0.6%であり、5分後アプガースコア7点以下については22.1%対22.0%と統計的な有意差は認められませんでした。
そのほかの新生児に関するアウトカムも同様に、差はなかったようです。
また「VAS併用群」と「VAS併用しない群」との陽性尤度比を比較してみると19.1対8.7で統計的に有意差が認められ、特異度、陽性的中率、正確度もVASを併用する方が高くなることが分かりました。

■結論
VASを併用する方法は、VASを併用しない場合と比較して尤度比が統計的に有意に高いという結果でした。
つまり、NSTにてnon-reactiveと診断された妊婦にVASを併用した方法を用いるとより正確に胎児機能不全を判定することができるといえます。
しかし、VASを併用する方法を用いると、子宮内胎児死亡や新生児仮死などの新生児の出産のアウトカムを減らすという結果は得られなかったため、方法自体が正確であったとしてもこの方法を臨床にまで推奨できるとするエビデンスがあるとは言えないようです。