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妊娠した時の読み物

妊娠に関する様々な知識や使い方を「読みもの」として紹介していくサイトです。

助産ケアのエビデンス!子宮収縮抑制薬の経口剤は早産予防に有効?

妊娠のエビデンスシリーズ

早産には様々な原因があり、多胎、前期破水、頸管無力症などの子宮に関連した異常、妊娠高血圧症候群といった母体の全身状態、子宮内胎児発育不全のほかの胎児異常などが主なものといわれています。

また、原因が特定されていないものも約30%あるとされており、このように早産には様々な原因が関係していると考えられていますが、実際には37週未満での子宮収縮に対して、対症療法として子宮収縮抑制薬を使用しているのが現状です。
日本では塩酸リトドリンがよく使われており、注射薬として使われることが一般的ですが、経口剤が使われる場合もあります。
では、子宮収縮抑制薬の注射薬でとりあえず切迫早産初期治療を行ったあとに、維持療法として経口剤を続けて使用することは、切迫早産の再発予防や最終的な早産予防として本当に効果があるのでしょうか?

■経口剤を使用することによる早産予防としての効果
研究計画の段階であらかじめ定めておいた主要評価項目の1つであった、周産期死亡率について見ると、塩酸リトドリンとプラセボ/無治療を比較した論文と、硫酸テルブタリンとプラセボ/無治療を比較した論文を統合した結果、経口β刺激薬とプラセボ/無治療との間に統計学的に有意な差はありませんでした。
一方、薬の副作用について見ると、プラセボ/無治療に対して経口β刺激薬を使用したほうが頻脈、低血圧、動悸が有意に増加するという結果でした。
このことからも、これまでに行われたランダム化比較試験の結果では、維持療法としての経口β刺激薬使用を支持するエビデンスは得られていません。

硫酸マグネシウム注射薬の効果
早産予防のための薬がまだ確立されていないという状況の中で、日本では塩酸リトドリンの他に、硫酸マグネシウム注射薬も1980年ごろから長く使われてきました。これは、β刺激薬とは異なる薬で、この硫酸マグネシウム注射薬は、子癇の薬としてこれまでも保険診療で使えましたが、切迫早産治療としては長く適応外使用でした。
有効性は十分検討されていないので、安易な使用は再考すべきという論文もあり、塩酸リトドリンと同じく切迫早産治療に対して保険診療の中で使用できるようになった、硫酸マグネシウムを日本では今後どのように使うのが適切かが重要なポイントになっています。

■結論
子宮収縮抑制薬の経口剤に早産予防効果ありというエビデンスは得られていないという結果でしたが、薬の効果が出るかどうかはそれぞれの人で使ってみないとわかりません。
使うかどうかの判断で大切なことは、「選択肢がいくつかあるならば、効果ありというより、確実なエビデンスのあるものを使う」ということです。