妊娠した時の読み物

妊娠に関する様々な知識や使い方を「読みもの」として紹介していくサイトです。

妊娠線のなぜ?皮膚科医が原因から予防法まで徹底仮説

妊娠線とは?

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妊娠線は妊娠8カ月以降に妊婦の下腹部、乳房、大鞁、殿部の皮膚に生じる長紡錘形の線と定義されています。妊娠に伴う急激な体積の膨張により皮膚が引き延ばされて、真皮乳頭と呼ばれる皮膚の真下の血管が薄い皮膚を通して赤く見えるものが線みたいに見えるために妊娠線と言います。この妊娠線と同様の症状は妊娠だけの特徴的な症状ではなく思春期やクッシング症候群、糖尿病、肥満,、ステロイド長期投与など体の体重と体積が急激に増えるでも見られ、線状皮膚萎縮症と総称される病気の症状の一つです。

妊娠線の頻度は?

諸外国での妊娠線の出現率は、初産の妊婦さんを対象にした研究で52%から87.7%と報告されていいます。一方、日本人の妊婦さんにおける統計では妊娠線は初産婦の27.7%、経産婦の51.8%で出現すると報告されていますが施設によりばらつきがあります。

妊娠線による妊婦の生活の質の低下

実は妊娠線予防について明らかな効果があると化学的に実証された物はありません。しかし、妊娠線の有無が妊婦さんの気分の低下など生活の質を低下させることは化学的に実証されています。また、妊娠線出現予防のためにクリームや化粧水を使用していた妊婦さんは、妊娠線が出現していても妊娠線が出現していない妊婦さんと同等の生活の質を保てていることがわかりました。一方で妊娠線予防処置を実施していなかった妊婦さんでは生活の質が低下していることがわかっており、妊娠線が出現する、妊娠線が出現しないに関わらず予防行動を起こすことが非常に大事なことだと考えられています。

 

妊娠線が出来る原因

妊娠時に皮膚の急速な伸展によって生じた皮膚真皮内の弾力線維の不可逆的な断裂でありさらにコルチコステロイドというステロイドホルモンの増加による表皮細胞分裂抑制、線維芽細胞増生抑制などの作用が関与していると考えられています。皮膚の真皮結合組織の90% 以上は膠原線維が占め、弾力線維は数%にすぎませんが、皮膚を収縮させる最も大切な線維でそれが急激にちぎれてしまうことによりこまぎれの弾性繊維に置き換わりお肌の張りが弱くなることにより妊娠線の部分だけお肌が少し固くなります。

 

妊娠線の経過

産後は表皮の緊張がとれ、ちぎれた弾性繊維も完全といわないまでもある程度は元に戻り、皮膚が薄くなっていた部分も徐々に分厚くなって妊娠線の赤みの原因である毛細血管が見えなくなるまで回復すると言われていますが残る人も多く妊娠線は出産を控えた女性の懸案事項の一つであることは間違いありません。

 

妊娠線が出やすい人

妊娠線がでやすい人には以下のような特徴があることが知られています。

 

  1. 体重の増加が12kg以上の人
    適度な運動と食事によって体重コントロールが上手に出来ている人は、妊娠線ができにくいようです。皮膚の体重増加に伴う急激なおなか周りの皮膚の引きつりが原因と考えられていますので体重増加が少なければ少ないほど妊娠線は出来にくいと考えられています。事実、体重増加が8kg以下の人はほとんどできないようです。しかし、12kg以上の急激な体重増加があった人は妊娠線が出来る可能性が高くなりますので注意が必要です。

  2. もともと小柄な人や痩せている人
    小柄な人や痩せている人は、もともとの皮膚のゆとりがあまりありません。しかし、妊娠に伴って子宮が大きくなることについては身長と体重ではなく子供に依存します。つまり、小柄な人ほど子宮が大きくなるにつれて引き延ばされる皮膚の割合が大きくなってしまうのです。その分普通の人よりもお腹の皮膚が引き伸ばされてしまうために、妊娠線ができやすくなります。

  3. 多胎妊娠の人
    双子や三つ子のことを多胎妊娠といいます。赤ちゃんが1人の妊婦さんよりも当然ながら2人いるのでお腹まわりが大きくなります。その分皮膚が伸びてしまうので、妊娠線が生じやすくなります。

  4. アトピーの人
    アトピーの人は皮膚のかゆみを止めるためステロイド剤を利用することが多いです。しかし、効果がある分、肌の弾力が弱くなるという副作用があります。「弾力が弱くなる⇒皮膚が伸びにくくなる」ということで妊娠線ができやすくなりますね。

  5. 35歳以上の高齢妊娠の人
    人は年齢が上がれば上がるほど、若い頃と比べて肌の弾力がなくなっていきます。ですので、高齢妊娠の人は若い妊婦さんと比べると、妊娠線が出来やすいようです。

  6. 経産婦の人
    一度出産を経験している人を経産婦といいます。初産の人と比べると子宮が伸びやすい状態にあります。そのために急激にお腹が大きくなりやすく、妊娠線も生じやすいと考えられています。

 

妊娠線予防方法

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ゆっくりと体重を増やすこと!

最近は産婦人科でも、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になるリスクを減らす目的で妊婦さんの体重管理を厳しく指導されることが多くなっています。産婦人科の先生の相談しながら少しずつゆっくりと体重を増やしていくようにコントロールしましょう。


適度な運動で脂肪がつきにくい体作り!

体重管理も兼ねて「適度な運動」によって、脂肪がつきにくい身体を作っていきましょう。

妊娠中にできる運動はいろいろとありますが、一番手軽に始められるウォーキングをここではお勧めします。。ウォーキングなら気軽にできますし、体への負担も少なく毎日でも続けられることが可能です。
ウォーキングには体重管理以外にも色んなメリットがあります。「腰痛・肩こり・便秘・むくみ」などのトラブル解消にも効果的ですし、継続することでつわりなどで落ちがちな体力も回復してきます。


保湿ケアを徹底すること!

妊娠線予防として「保湿ケアをいつから始めた方が良いのか?」に関しては、「お腹が大きくなってくる妊娠5か月目くらいから」という声もありますが…、まだお腹の目立たない妊娠初期の段階で始めていくのが理想的です。妊娠線予防のためには、肌に潤いを与え、伸びやすい柔らかい状態にしておくことが大切です。乾燥しないようにクリームやオイルなどを塗り、よくマッサージして皮膚を柔らかくしましょう。クリームやオイルは妊娠線ケア専用のものがオススメです。一般のクリームやオイルよりも保湿力が高く、伸びもよくて妊娠中の大きなお腹に塗りやすいという特徴があります。
妊娠線は脂肪がつきやすい部位にできるので、お腹だけではなく、バスト・わき・二の腕・太もも・お尻・股などもしっかりケアしましょう。

 

お風呂ではお湯に浸かって温まること!

お風呂はシャワーですまさずに、お湯に浸かって温まるようにしましょう。皮膚の血行もよくなりますし、皮膚の表面に開いている毛穴が温まることにより広がり、オイル、クリームの浸透がしやすくなり保湿効果が高まるという特徴があります。

 

妊娠線の予防に効果があると報告されている成分

産婦人科ではスキンケアクリーム(アラントイン、ヒアルロン酸コンドロイチン硫酸、ヘパリン類似物質の合剤)の塗布などを勧めています。妊娠線の発症予防にゴトコーラ(ツボクサ)の抽出物、α-トコフェロール、コラーゲン・エラスチン加水分解物を含むクリームの有効性が報告され、これらの物質を含む皮膚のケア商品が市販されていて有効な物もあると考えられています。

妊娠線予防については化学的根拠が乏しく、効果が薄いとされていますが下記の商品はインターネットでも評判が良く、安全に使えて妊娠線予防に効果があると評判です。

 

妊娠線予防クリームとしてはインターネット上では下記の商品が売れています。


美容皮膚科で妊娠線を消す方法

美容皮膚科で妊娠線が消すことが出来ますか?と聞かれることがあります。妊娠線の発症機序や原因から考えるとYAGレーザーという赤色色素に熱を与えるレーザーを照射すると妊娠線の表面の赤色が薄くなることや、熱が加わることにより膠原繊維の活性化が起こり、妊娠線で肌が凹んだ状態が改善する可能性はあります。自費で保険が効く治療ではありませんが妊娠線がどうしてもとりたいという方は一度美容皮膚科、美容外科に相談してみてもいいかもしれません。

 

妊娠線の痒みに対して塗ってはいい薬、いけない薬

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 妊娠線はかゆくなることがあります。しかし、そのかゆみに対して塗って良い薬と赤ちゃんに影響を及ぼす悪い薬があるので絶対に市販のかゆみ止めだけは使わないようにしてください。かゆみが治まらなくて、我慢できないときは近くの皮膚科の先生に相談しましょう。